◎ 「役員給与」 の
 給与所得控除額の損金不算入
(法35条)



平成18年4月1日以後開始する事業年度から適用されます
− 節税を目的とした法人成りの抑制策 −
平成22年4月1日以後に終了する事業年度から廃止されました




平成18年度の税制改正により、

(1) 特殊支配同族会社役員給与の 『給与所得控除額の損金不算入措置』 の導入



◎ 対象となる会社
  • 「新会社法」 で規定される会社
    対外的業務活動をしない不動産賃貸会社、持株会社、管理会社などが対象となります
  • 医療法人、税理士法人、学校法人、協同組合などは対象になりません


    適用対象となる実質一人会社とは?
    (特殊支配同族会社とは?)
    (法35条)


    同族会社の業務を主宰する役員 及び
    その同族関係者等が、
    業務主宰役員に対して支給する
    給与のうち『給与所得控除相当額
    は、損金不算入とされる




    ● この規定は
    平成22年4月1日以後に終了する
    事業年度から廃止されました




    (1) 発行済株式総数 (自己株式を
     除く)等
    の90%以上を有している
    かつ
    (2) 会社の常務に従事する役員の
     過半数を占めている

  • 「業務主宰役員」 とは、法人の業務を主宰している役員一人を指す概念であり、
    個人に限られ、会社の経営に最も中心的に関わっている役員 (実質判断)
    (法基通 9-2-53)



    ◆ 上記の適用対象からはずれる場合
    (課税が免れる場合)
          








    「所得金額」 と 「損金算入された役員給与の額」 の合計額の過去3年平均額
    役員給与を引く前の所得金額の過去3年平均額 (基準所得金額)
    (A) とすると




    @ (A) ≦ 800万円 (注1) の場合
     
    A  800万円 (注1) < (A) ≦  3000万円の場合で
    業務主宰役員の給与の額の過去3年平均額 50%
    の場合
    (A)

    (注) 上記 (A) が3000万円を超えると、必ず適用対象となります
    (注1) 平成19年4月1日以後に開始する事業年度から1600万円に引き上げ



    ◆ 基準期間とは?

  • 基準期間がある場合 : 基準期間とは、当期首3年以内に開始した各事業年度

     (その各事業年度の内に特殊支配同族会社に該当しない事業年度がある場合には、
    その該当しない事業年度のうち、最も新しい事業年度以前の各事業年度は除く)


    ◆ 基準所得金額とは? (別表14(1) 付表)

  • 基準期間内事業年度等の調整所得金額の合計額から調整欠損金額 及び 過年度欠損金額の
    調整控除額を減算した金額を、基準期間内事業年度等の月数で除しこれに12を乗じて計算した金額


    基準
    所得金額
    調整
    所得金額
    (※1)
    調整
    欠損金額
    (※2)
    過年度
    欠損金額の
    調整控除額
    ×12
    基準期間内
    事業年度等の
    月数の合計数


    調整所得金額
    (※1)
    所得金額業務主宰役員給与額
    (損金不算入額を除く)
    欠損金の
    当期控除額
    又は
    調整所得金額
    (※1)
    業務主宰役員給与額
    (損金不算入額を除く)
    欠損金額


    調整欠損金額
    (※2)
    欠損金額業務主宰役員給与額
    (損金不算入額を除く)



  • 「業務主宰役員給与額」

    (1) 外書きは、法34条 及び 旧35条の規定により、損金不算入となった金額を差
        し引いて記載


    (2) 内書きは、下記の法35条@の規定により損金不算入となった金額を記載する

    法34条 役員給与の損金不算入別表14(1)32
    外書き
    旧法35条 役員賞与等の損金不算入
    法35条@ 特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入別表14(2)3
    内書き

    (3) 期の中途で業務主宰役員に異動があった場合の業務主宰役員給与額に注意

    【基準期間内で変更があった場合】
    期末業務主宰役員 及び 期中業務主宰役員との関係は?
    親族である場合 各業務主宰役員である親族に支払った
     役員給与の合計 (通算) 額
    他人である場合 期末業務主宰役員に支払った給与額



    親(親族)からの借入


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    上記(1)は同族法人について、毎年 適用となるかどうかの計算が必要な影響の大きい改正です。



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    tel: 06-6681-2144  税理士 服部行男
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